
ポルトガルの形を面長な男性の横顔に見立てるとするなら、聖地ファティマはちょうど目玉のあたりに位置している。リスボンからはバスで1時間半もあれば到着する。そのリスボンはだいたい鼻の穴あたりにある。素敵なビーチに行きたければ口ひげの周りがおすすめだ。
1917年に起きた聖母出現の奇跡は、実に10万人の目の前で起きてヨーロッパ中にファティマの名前を知らしめた。奇跡から100年と経っていないファティマは聖地としてはまだ若いけれど、奇跡の現場でマリア像が祀られている出現の礼拝堂は巡礼者で溢れかえっていた。巡礼者たちは神父の説教を涙を流しながら聞いている。礼拝堂の外を祈りながらひざまずいてゆっくりと周っている人もいる。
中心地には町で最も古いネオクラシック様式のバジリカと、ギリシャの建築家アレクサンドロス・トンバージス設計の町で最も新しいサンティッシマ・トリンダーデ教会が向かい合って建っている。間に挟まれた広場はスノーボードのハーフ・パイプコースみたいに弧を描いて真ん中がへこんでいて、毎年5月と10月に開かれる大祭には10万の巡礼者をしっかりと受けとめる。
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