20080217

葡萄牙語 国境を越えた恋 more or less 

事務所でのコミュニケーションは基本的に英語。スタッフのほとんどが英語を(さらにいえばスペイン語やフランス語も)話せるおかげだ。年配のシニョール、シニョーラはさておき、若い人は一般的に英語を苦にすることなく話す。とはいえ、現地の言葉を理解できるに越したことはない。彼らはポルトガル語でものを考え、ポルトガル語でデザインを進めているのだから。

現地の言葉を覚えるのに良い方法とは何か。国境を越えた恋を実らせるというのもドラマチックだが、いささか敷居が高い。もっと簡単なことだ。たとえば僕は、日本語で思ったことを英語にして声に出している。彼らもまたポルトガル語で考えたこと英語に変換しているに過ぎない。「日本の英語」と「ポルトガルの英語」は明らかに違うのである。共通のフォーマットを用意することで、かえって個性が浮き彫りになるというのは真理だ。

そこで僕は、彼らの英語をひたすら注意深く聞くことにした。例えば彼らが英語の中でよく使うフレーズは、彼らがポルトガル語で話す時によく使うフレーズという可能性が高い。

結果として、彼らは面白いほどに"more or less"( 多かれ少なかれ、大体{だいたい}、おおよそ、まあまあ)を連発していた。less is more ならぬ、more or less。ほとんど必要のあるなしに関わらず、リズムやテンポを整えるように彼らはこの言葉を使う。本当に良く使う。ポルトガル語だと"mais ou menos(マイゾウメーノシュ)"良い意味でも悪い意味でも、この国のゆったりとした国民性を最も適切に表していて興味深い。ポルトガル人と英語で話す機会のある人は、是非一度気づかれない程度に聞き耳を立ててみることをお勧めする。

では「日本の英語」はというと、"a kind of"(ある種の)、"really?"(マジで?)などが圧倒的に多いと指摘される訳で。確かに。

2 comments:

Anonymous said...

これは面白い視点だなあ。確かに日本人英語があればドイツ人英語もあるし、当然ながらポルトガル人英語も有るに違いない。

日本人が英語でよく使う(・・と指摘される)フレーズ:By the way ・・・これ、中学校の英語教科書で必須熟語にでも指定されているんじゃないか? 話を纏めに入るときanyway もよく使われる・・気がする。自分では actually をよく使ってるな・・と言われることがある。これは英語にも婉曲表現がある・・ということを習ったときに、Noという直截な否定をするかわりに・・・「・・ね、そう思うよね、普通は・・でも実はね actually ・・」と相手を傷つけないように否定するんだと習って以来、癖になっている。

ドイツ人がよく使うのは respectively :2つの事柄があって、それにもう一組の2つの事柄を対応させるときに使う。ちょっとウマイ文例が思いつかないが、ドイツ語の beziehungsweise にぴったり対応する。

いやあ、おもろいねえ

Anonymous said...

actuallyは日本人はよく使いますね。僕の友達が、留学生に課題やったの?と聞かれて、

Actually, yes and no.

と言ったのを思い出しました。非常に日本人的。