20080328

短距離走 P-06 魚の保管庫


コンペとは、息継ぎをしないで走る短距離走に似ている。もしくは、ただただ水に潜ってその深さを競うストイックな競技があったと思うのだけれど、それの方が近いかもしれない。限界まで潜った後、息継ぎをするために水面から顔を出そうとする。例えばその直前に水位が急上昇したら、いったいどうなってしまうんだろう。木曜日の夜、同僚ヌノからの電話を受けて、僕の連想したものはだいたいそんな感じのことだった。
「ユウスケ、いいニュースだ。明日から週末にかけて仕事が入ったよ。いつも一緒に仕事をしているデザイナー、ヌノ・グジュマオンの事務所でコンペ用の模型を作りに行かなくちゃいけないらしい。」
というわけで僕は2週間ぶりの週末を返上して、テージョ川に沿って西へ進んで、リスボン・アルカンタラ地区の先のべレンのそのまた先のアルジェスにある魚の保管庫を改造した、グラフィック・デザインアトリエ「P-06(ペーゼロセイシ)」の事務所に派遣されてきた。ほぼ毎日朝帰り。

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