20080629

王様のレストラン 右巻き 左巻き


カタツムリの美味しい季節がやってきた。じりじりと照りつける陽射しの中、食堂の店先には直径1~2センチメートルくらいのカタツムリがぎっしり詰まった網が吊るされている。エスカルゴみたいにごろりと大きいものではないけれど、僕はビールを飲みながら皿の上に山盛りにされたカタツムリたちをつまようじでちまちま食べるのが気に入っている。一回に平均で30個くらいは食べてるんじゃないだろうか。

ある日僕はコーディネーターのフランシシュコにカタツムリの食べ方を教えてもらった。彼は王様のレストランの松本幸四郎みたいに旨いものの一番旨い食べ方を知っているのだ。
「ユウスケ、いいか、カラコイシュ(カタツムリ)の一番旨い食べ方はこうだ。
まずはゆっくり一日お気に入りのビーチで過ごすんだ。夕食時になって十分に腹が減ったらビーチを出てお気に入りのレストランへ向かう。もちろんいいカラコイシュを出す店だ。そこでビールと一緒に食べるカラコイシュが一番旨いんだ。」
僕はギャルソン・フランシシュコに言われたとおりに週末をシキさんと近場の手頃なビーチで過ごしてから家の近所のレストランでカタツムリを食べた。一時間半の滞在ではゆっくりと過ごしたとは言えないかもしれないけれど、バターとにんにくと香草でじっくり炒められたカタツムリは右巻きのものも左巻きのものもどちらもよく味が染みていて旨かった。
丁度サッカー・ユーロ2008でスペインが優勝を決めた日で僕らも店で観戦していたのだけれど、それはまた、別のお話。

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