20080302

アシカ 醍醐味 壁厚80センチメートル


ヨーロッパでは珍しく、うちの事務所ではMACを使う。CADソフトにはArchiCADを使う。日本語だと「アーキキャド」、ポルトガル語だと「アシカ」。海外では殆どの事務所がAutoCADを使うと思っていたから、日本にいる間に使いこなせるようにしてあったのに、寧ろ弊害になりかねないでいる。最初に本格的にパソコンで図面の手伝いをしたのは、リスボン市内の古いアパートの改修計画だった。
最初は慣れないソフトと研修生用の少し旧型のパソコンに苦労させられたが、僕はこの図面での作業が、海外設計事務所の醍醐味のようなものを味わえて好きだ。特に改修図面での作業が好きだ。
垂直も水平も無い既存図面に合わせて新しい壁や開口を描き込むのが好きだ。動線の位置を変更して新しいプログラムに合わせているのを読み取るのが好きだ。外観を変えないように、平面とのずれを修正していくのが好きだ。壁厚80センチメートルなんて、図面で見ているだけでわくわくする。

こんな楽しみ方をできるのも、日本人研修生の特権だ。

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